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平成29年度研究報告 Vol.16

   平成29年度に当センターで実施した研究(12テーマ)等に関する成果を公表します。
  各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。


▼ 産業支援研究 (7テーマ)

 産業支援研究は、産業界が求めるニーズを把握し、社会情勢を踏まえ、センター内で保有する技術シーズや新技術創出調査の成果を活用し、 県内企業の製品化・実用化を支援することを目的として行っています。

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 PDF
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1 高周波誘電加熱を利用した異種材料の接合
近年、複数の材料を適材適所に用いるマルチマテリアル化の要求に対し、異種材料を接合する技術の重要性が増加している。 これまでに我々は熱可塑性接着材を用いた高周波誘電加熱によるアルミ板とガラス繊維強化ポリプロピレン(GF-PP)の接合を検討し、 化学エッチング処理したアルミ板に接着材をあらかじめ熱プレスし、その後GF-PPを配置して接着材を誘電加熱する手法によりアルミ板とGF-PPの接合に成功している。 本研究ではアルマイト処理を行ったアルミ板を用いて同様の手法によりGF-PPとの接合を行った。 得られた接合試験片の引張せん断試験では5〜7MPaの接合強度が得られた。 また、化学エッチング処理とアルマイト処理の両方を行ったアルミ板を用いた試料では9.5MPaまで接合強度が増加し、 高周波誘電加熱を用いて高強度の金属−樹脂間の異種材料接合を達成できる可能性が示唆された。
誘電加熱,異種材料接合,アルミ,ガラス繊維強化ポリプロピレン 環境・エネルギー関連技術分野 28〜29 研究報告[485KB]
2 ハイブリッド繊維強化複合材料の強度向上
ポリカーボネート(PC)およびポリアミド6(PA6)をマトリックス樹脂とし、 最外層に炭素繊維織物、内部にガラス繊維織物を配置したハイブリッド繊維強化複合材料(HFRP)の強度を向上させるため、 溶液含浸法、オゾン酸化処理法を適用した。 PCをマトリックス樹脂としたHFRPに溶液含浸法を適用することにより、空洞率が低下し曲げ強さが20%向上した。 PA6フィルムをオゾン酸化処理しHFRPを作製すると、曲げ強さが7%向上した。
ハイブリッド複合材料,熱可塑性樹脂,曲げ強さ,溶液含浸法,オゾン酸化処理 先端ものづくり関連技術分野 28〜29 研究報告[589KB]
3 導電ネット-ナノ粒子複合体の形成
次世代電池や排気ガス浄化フィルターに使用される、高導電性で大比表面積をもつ触媒として、導電性カーボン繊維の交点に金属ナノ粒子を凝集させた新規材料の開発を試みた。 セルロース中である一定の条件で還元析出を行うことにより直径50nmの金属ナノ粒子を得ることができ、カーボンフェルトの組み合わせにより、電極材料として用いられる活性炭の1/20の比表面積である37m2/gと、250倍の導電率である250S/m得た。
ナノ材料,複合材料 先端ものづくり関連技術分野 28〜29 研究報告[896KB]
4 普及型水蒸気透過度測定装置の開発(第2報)
水蒸気透過度測定の秤量作業を自動化した自動水蒸気透過度測定装置について、測定時間の短縮に向けた改良を行った。 今年度は、秤量の直前に電子天秤からカップを引き離してゼロ合わせを実施する自動秤量機構を付加し、さらに15分間隔で得た秤量値の経時変化から、水蒸気透過度を決定する自動判定機能を加えた。 その結果、従来法では8日を要したポリエチレンナフタレートフィルムの水蒸気透過度測定を20時間で測定可能とした。
水蒸気透過度,透湿度,カップ法,JIS Z 0208,JIS K 7129 農林・食品関連技術分野 28〜29 研究報告[580KB]
5 溶剤による炭素繊維強化ナイロン複合材料のリサイクル
熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とし、炭素繊維(CF)と複合化した炭素繊維強化複合材料(CFRTP)から炭素繊維と樹脂を分離回収することを目的として、溶剤によるCFRTPの溶解-分離方法について検討した。 CFRTPのマトリックス樹脂として、ナイロン6を使用した。 Hansen溶解度パラメータ(HSP)を利用して最適溶剤を探索し、HCl-Benzyl Alcohol 溶剤を選定した。 選定した溶剤を用いて常温常圧下で超音波処理によりCFRTP中のナイロン6を溶解させ、CFを分離回収することができた。
炭素繊維強化プラスチック,ナイロン6,リサイクル,HSP 先端ものづくり/環境・エネルギー関連技術分野 29〜30 研究報告[759KB]
6 β−鉄フタロシアニン燃料電池用触媒の実用化
燃料電池は,水素を燃料とし水のみを排出する非常にクリーンな電源装置として期待されるが,触媒に白金を用いるなど,高コストが課題の1つに挙げられる。 そのため,白金を代替する材料の開発が望まれる。 本研究では減圧下で加熱する手法を用いることにより,鉄フタロシアニンをβ構造化して各種炭素材料に担持させた触媒を製造した。 その結果,酸素還元開始電位0.65V(vs. SCE)が得られた。また,副生成物の生成率を低減することができた。
酸素還元触媒,鉄フタロシアニン,減圧下加熱,炭素担体 環境・エネルギー関連技術分野 29〜30 研究報告[584KB]
7 新規アルカリ燃料電池の開発
固体高分子形燃料電池はクリーンエネルギーであり省エネ・CO2削減効果が高く,家庭用コージェネレーションシステムおよび燃料電池車での利用が期待されている。 また,プロトン交換型ではない,アニオンである水酸化物イオンを伝導体としたアルカリ性のPEFCが注目されている。 本研究では,アルカリ燃料電池用の電解質膜にキトサンを用いて膜を作製した。 これらの膜の作製条件を検討し,この膜のアニオン伝導性を評価した。 キトサン不織布複合膜およびキトサン分散複合膜を作製し,アニオン伝導度はそれぞれ2.65×10-2S/cmおよび2.75×10-3S/cmであった。
アニオン交換膜,キトサン,不織布 環境・エネルギー関連技術分野 29〜30 研究報告[452KB]


▼ 新技術創出調査研究 (4テーマ)

技術支援高度化研究(4テーマ)


 技術の進展に対応し、センターにおける依頼試験、解析評価技術等の技術支援高度化を図る調査研究であり、 県内企業の問題解決に役立つ評価解析技術の開発・蓄積を目指しています。

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1 食品中の多成分同時検出技術の確立
食品中の味成分であるアミノ酸、有機酸および糖について、個別成分の定量分析に代わり、液体クロマトグラフ質量分析装置を活用した、前処理や分析操作を共通化した効率的な分析手法について検討した。 さらに、決定した手法を原材料や製法の異なる市販味噌の味成分の差異解析に適用した。 本研究で決定した手法により、市販味噌の味成分の違いの説明が可能であり、またそれらを「見える化」することができた。
アミノ酸,糖,有機酸,液体クロマトグラフ質量分析装置,主成分分析 29 研究報告[379KB]
2 高香気生成清酒酵母の利用性向上に関する研究 −埼玉G酵母と埼玉E酵母を単独で使用したアンプル酒母による混合仕込み−
埼玉G酵母(カプロン酸エチル高生産性、発酵性弱い)と埼玉E酵母(発酵性良好)をそれぞれ単独で用いて製造したアンプル酒母を使用し、総米60kgの清酒の混合仕込みを行った。 酒母使用時に状貌が進んでいた埼玉G酵母の方が優勢となり、埼玉E酵母による発酵性の改善は見られなかった。 また、もろみの品温を低下させたところ、埼玉G酵母は日本酒度の切れが止まったが、埼玉E酵母はある程度の切れを維持した。
清酒,酵母,混合仕込み,アンプル仕込み 29 研究報告[320KB]
3 銅合金中の精密銅分析方法の検討
JIS H1051に示される電解重量法における高純度銅の銅含有率分析方法について検討した。 試料量、電析時間、電流値を調整することで、0.01%の精度で分析することができた。 不純物として含有する元素の影響を検討するため、リン、亜鉛、鉛、スズ、ニッケル、ビスマスを試料溶液に加えた。 リン、亜鉛は影響がなかったが、鉛、スズは沈殿を生じて陰極に付着し、ニッケル、ビスマスは銅とともに陰極電着し、銅の含有率が実際より高めに測定された。
銅電解重量法,定量分析,ICP発光分光分析 29 研究報告[426KB]
4 3Dプリンタ造形物の寸法精度向上に関する研究
近年3Dプリンタの高度化により、造形物が試作だけでなく製品として利用可能になりつつあり、より設計値に近い高精度な造形が求められている。 しかし一般的に3Dプリンタの造形誤差(設計値との誤差)については明らかにされていない。 本研究では、当センターで保有するインクジェット方式の3Dプリンタについて、三次元測定機及びX線CT三次元測定機を用いて造形誤差要因を検討し、CADデータに補正をかけることにより、設計値誤差±0.1mm以下となるように寸法精度の向上を図った。
3Dプリンタ,CADデータ,三次元測定機 29 研究報告[715KB]


▼ JKA共同研究 (1テーマ)

  平成29年度に、公益財団法人JKAの「公設工業試験研究所等における共同研究補助事業」(オートレースの補助金)を利用して実施した研究です。   
⇒JKA補助事業の概要はこちら
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1 電気化学プロファイルを利用した迅速・簡便な小型水質評価システムの開発
微分パルスボルタンメトリで得られる電気化学プロファイルのパターン評価による新規な水質評価解析システムの構築を目指している。 適用分野の一例として、飲料デイスペンサーやカップ式飲料自販機の設備管理を目的に、15分に1検体のペースで計測可能な、携帯型水質評価システムを試作した。 電極、計測条件、検体前処理方法などについて検討し、各種飲料に含まれる有機酸類や糖類を指標として飲料水の種類判別や濃度評価を可能とした。
電気化学プロファイル,飲料デイスペンサー,遠隔制御型品質管理 29 研究報告[717KB]


 平成29年度研究報告 全収録版

 平成29年度研究を1冊にまとめて収録した、「平成29年度研究報告」はこちら(PDF 7.0MB)